「そばえ」 私家版写真集

「そばえ」 は認知症の父を亡くなるまで撮り続け、まとめた私家版写真集です。
両観音開きになっており、ページを開くごとに奥の階層に進んでいくような作りになっております。

2009年 父が認知症のため、要介護認定を受けた。
様々な記憶が薄れてゆく父。

九州の実家を離れ、東京に出て来て18年。
両親と過ごした月日と同じだけの時間が過ぎた。
数年に一度帰省しても、父と何かを話したり、
二人でどこかへ出かけるというのは先ず考えられなかった。

ある日、兄から「父の肺に影が見つかった。癌かもしれないから入院して検査をするらしい。」
という連絡を受けた。
まだまだ永い時間が残されていると思っていた父との時間は、
既にカウントダウンが始まっていた。

自分にとって、父とは何なのか。 父は今、何を想いどのような生活を行っているのだろう。
殆ど密なやり取りのないまま過ごしてきた18年という歳月を取り戻すように
父を撮影する日々が始まった。